コンサル元社長ら逆転無罪=教育関連会社の資金横領―東京高裁

2017年08月04日の裁判ニュース

 委託元の教育関連会社から3億8000万円を横領したとして、業務上横領罪に問われたコンサルタント会社元社長の柴垣敏久被告(57)ら3人の控訴審判決が4日、東京高裁であった。

 栃木力裁判長は委託元の社長が送金を承諾していたとして、懲役3~5年の実刑とした一審東京地裁判決を破棄し、3人に無罪を言い渡した。

 他の2人は、コンサル会社役員石黒祐一(55)、同社員竹中豪(40)両被告。3人は昨年、経理業務を委託されていた教育関連会社の資金を横領したとして実刑判決を受け、弁護側が控訴した。

 栃木裁判長は、送金を承諾していなかったとする委託元の社長の供述について、業務日報など客観証拠と矛盾していると指摘し、「信用性がないのは明らかだ」と述べた。

 また、一審について「通常行われるべき証拠調べがなされず、誤った評価をした」と言及。「被告に防御の機会を与えず不意打ち的に有罪を導いた手続きの違法は極めて大きい」と述べた。

 曽木徹也・東京高検次席検事の話 判決内容を十分に精査、検討し適切に対処したい。 


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